裏方人生を長らく過ごしているとどうしても裏方界のスターに興味が行きます。
ディランであれば、アルバート・グロスマン。ビートルズならノーマン・エプスタイン。そしてビル・グラハムなどなど裏で支えた人たちは表にでない分興味が湧きます。
ここ30年くらいズ~っと気になる人が、バーニー・エクレストン。F1を仕切っているF1界の帝王です。魑魅魍魎で複雑奇々怪々のF1界を収めているジイ様です。現在80歳。
まぁ読めばボクは彼のファンだと分かるほどボクの過去ボログにもバーニーはたくさん出てきます。
強面の話ばかりが流布されるジイ様ですが、あんなドラキュラやシャークが棲む世界を束ねる能力は、甘いも酸いも、表も裏も熟知してまさに清濁を併せ呑み干す度量あってこそのなせるものでしょうし、この人の心底に流れる潔さやロマン家への密かに注ぐ愛情があってこそF1界を御せるわけです。その辺を知っているとどうしても彼がロン・デニスのような我欲の強い偽善的行為者を好かんことがよく分かります。
これ以上進むと殊の外脱線してしまい時間もないので急ぐとして、そのバーニーの伝記が最近出ました。ご本人が認めた公認伝記としては2冊目。
「No Angel: The Secret Life of Bernie Ecclestone」
著者は、トム・バウワー。
タイトルの「No Angel」が意味深で、おそらく前妻のスラヴィカのことと想像しつつもエンジェルって坊やだし、と…迷走していたらそれが、F1通信に翻訳文が載っていました。
なんともそのタイトルがスゴイ!
「バーニー・エクレストンとスラヴィカの結婚に関する驚くべき事実」と来ては読まずに居られません。
どうやら本の多くは、一昨年離婚したスラヴィカとの結婚生活の中身に割かれているらしい。
まぁたしかに英雄色を好むとはいいますが…28歳の年齢差。(そのうえ30数センチも背が高いアマゾネス的威圧感満載。まるでカダフィ親衛隊)年下の奥さんを持つと…的に読んでしまうのですが。それだけの歳の差、そりゃ泥棒といえなくもない。当然反動的に出てきますわねぇ。普段でさえ女はコワくて強いもの。失礼
この本を書かせるにあたり著者トム・バウワーをプライベートジェットに同乗させ高いレベルの交渉の席にも同席させすべてをあからさまにしたバーニー。その辺の話がどれだけ書かれているものか興味がつきませんが、その辺よりも意外な結婚生活を赤裸々に語り周囲を取材させ、結果的にその面白さを発見、そっちへの興味をプラグインさせたとしたら、やはりバーニーの勝ちかもしれません。
またある意味彼のビジネス手腕は至極オーセンティックでみんなが思うほど秘密がなかったとも思えてしまいます。
昔むかしプレス章を持ちF1サーキットを駆け巡っていたとき、バーニーに遭遇することも数々、一度トイレで連れションしたこともあります。後からやってきた小柄なオッチャンこそ、バーニー御大でした。当時FOCAの会長様。ビビったのは言うまでもありません。ビビチビ(ビビリ×チビリ)状態。バーニーをチビとは言いませんぞぉー。念のため。あんな大物を…。こっちも意味深。ではでは。