2011年2月12日土曜日

エジプト、北アフリカ、中東今後の行方

◎一夜明けたら、エジプト民衆の勝利のニュース。専門家は、軍の勝利と解説するだろうが・・・。

◎今回のムバラク大統領辞任で、この騒乱は一応幕切れとなった(?)が、3週間前に始まったこの退陣要求を、早くから欧米メディアは「エジプト革命」「民主革命」などと『革命』と表現。一方日本のメディアは革命の文字をほとんど使わなかった印象が強い。
ボク自身も危機と書き行方を見守ってきた。後に歴史がこの事態をどう表現するのか、さらに今後の行方に注視したい。

◎アメリカは、ここ数日でスエズへ空母「エンタプライズ」や空母型強襲揚陸艦「キアサージ」を派遣、ムバラクへの圧力と軍部へ、さらにはイスラエル、サウジへもメーッセージを放ってきた。勿論イランへのメッセージも兼ねる。ここはアメリカの姿を見せる幕場である、とそんな解釈をしていた。

◎軍部内には世代また階級関係を背景とする問題を内包していると聞く。アメリカの後ろ盾で役割の承認を得た軍主導の民主化実験は、はたして民衆は今後彼らの期待、はてはアメリカの期待する通りになっていくのであろうか。

◎本来「革命」の定義を旗印にしたいのはイスラム原理主義者であり、エジプト野党最大勢力のムスリム同胞団である。ムスリム同胞団親派も軍部内青年将校も増えている事実が後の開かれた選挙までにどう影響するのだろう。

◎この騒乱で、星の数ほど振られたエジプト国旗に加え、いつか炎がついたり踏みにじられるアメリカ国旗を見る日が来る可能性が皆無ではないことを頭に入れておく必要がある。
 
◎またエジプトの余波は今モロッコまで飛び火している。隣国チュニジアの落着。そしてエジププトのこの結果に影響を受けるは必至。北アフリカでもっとも安定しているモロッコまでもデモが勃発している事実が時代の流れ。無視はできない。

◎モロッコ、チュニジア、リビアそしてアルジェリアに直接権益をもつフランスは気が気でない。中東、アフリカに直線的国境線を引いたのは、もともと英仏主導の折り合い談合である。この歴史をつくづく思い出さずにいられない。「アラビアのロレンス」をもう一度見る絶好の機会である。そういえばあの映画は、たくさんの印象深いセリフがありました。歴史認識とくに外交策略がさらに深まりますぞう~。じつに汚いものです。悪いやつほどよく眠るですかなぁ。念のため、ボクは睡眠無呼吸症候群
で、悪いやつに成り損ねました。