2011年1月15日土曜日

なんでもありの内閣改造 何か有るぞ

与謝野担当相 税の改革「10年来の仕事」実現に強い意欲
 与謝野馨経済財政担当相は14日夜の就任会見で、税と社会保障の一体改革について「この10年来、私が心血を注いできた仕事。関係者は多数いるので、一歩ずつコンセンサス(合意)づくりに努めたい」と語り、改革の実現に強い意欲を示した。(毎日新聞)

◎与謝野さんといえば、消費税アップ論者、TPP参加論者の常套句がつきます。それなりに両方共開国派というか目先の利く人たちには好評です。しかししかし。その裏にある巧妙なシナリオが見えてイマイチ気が重くなります。

◎TPPは農業改革の名前を借りて本音は金融改革。羊の皮をかぶった狼です。60年代の林産物自由化を思い出せば今回の構図も分かるというもの。林産資源は、植林から有効利用資源に育つまで40年から50年を要します。その間に行われた関税自由化でモロに被害を受け山林を手放した地主が大挙し今その油断を突かれ巧妙に手口で中国資本に買い叩けれている現状は周知の事実ですね。

◎TPPはそれと同じ結果を連想します。日本人向けのコメ生産により注力したいアメリカやオーストラリアの大型農業資本は、良い条件で日本の農家を招き大量に安価で美味しいお米が日本へ輸出する時代を牽引します。その間水田は休耕地となり次第に放棄されタダ同然で転売されるでしょう。そしてそこに入り込む金融・保険・不動産。それらを機能させるシステムがTPPではないでしょうか。潤うのは消費者だというのが本当に良いものなのか、今こそそこは多角的視点と長いスパンで熟考しじっくり議論を要すタイミングです。

◎中国を合わせて考えればアメリカのどん詰まりを見過ごすわけにはいかないという勢力は、こんな時だけにこのTPPを一気に押し通そうと好機を狙っています。腹の中の色を確認してからでも遅くはありません。急いでいるのは訪米までに決着をつけたい御仁とそのお仲間たち。小市民感覚で警戒しても間違いではありますまいに。後悔先に立たず、です。

◎そしてもうひとつ。三権の長経験者の法相もいただけません。大体参院議長とは総理経験者同様身を引くべき最後のポストでしょう。まるで何でもありの内閣改造です。さてこんなのでいいのでしょうかねぇ?